• Harumi

タイムラグのない先で

1年半くらい前に初めて読んだブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」以来、彼女が書かれる本に興味を持ち、ここ最近、一気に数冊読んでいる。



英国の社会問題をテーマに書かれている内容ですが、これが今まさに日本で起きている、起きつつある問題だから胸に刺さる。カルチャーが違えと世界は資本で回っている以上、起きてくる現象は同じになるからだろうか。ここも深めたい。



以前、「ヨーロッパと日本では20年位のタイムラグがある」とロンドン生活が長い先輩たちからよく聞いたものだった。少なくとも90年の初めに私が住んでいたロンドンでは、日本との文化の違いに、そうだと聞かされていた。



その一方で、出会う異国の方たちからは「日本はテクノロジーの最先端の国」と言われることが多かった。インターネットも携帯電話もまだ無かった時代で、私には全然ピンとこず。確かにウォシュレットトイレとか便利グッズ。100円均一で売っているような「あると便利なもの」は英国にはなく、日本は進んでいるのかもしれないと思う節はあったのけど。



街を散歩すればパパさんと思われる人たちが、平日の昼間の公園で子ども達を遊ばせていたり、ミルクを飲ませている様子を見ては、断然英国の方が先を行っていると思ったし、何より銀行のATMが24時間使えたのはいい。育メン、年の差婚、格差婚、同性婚という言葉がそう遠くない前に日本で生まれたけど、私がいた90年の初めのロンドンでは日常の光景だった。



あの頃の私にとって、個人の生き方、夫婦、家族の在り方として学ぶことが多く、やはり「20年遅れ説」が有力だった。



そして、新たに読んだブレイディみかこさんの「子どもたちの階級闘争」(英国で経済的に困難を抱える人たちの子どもを無償でみる託児所での経験から書いた社会問題をテーマにした本)を読んで思うのは、子どもたちを取り巻く社会問題には、あの頃感じたタイムラグは、ほぼない。



この事実を大きく目を見開いていなくてならないのではないかと思う。



ここまで書いていて、タイプするのが止まってしまい、先にいけなくなって「下書き保存」を押してから随分と時間が経ってしまった。



改めてタイトルとした「タイムラグ」は、延長期間。その間に色々考える、準備する時間があったということだが、社会問題の中ではこれがどんどん縮まっている。今では、遠く異国で起きていることを瞬時に知れるだけではなく、現実にそれを体験してしまうことに、それほど時間がかからない。



もちろん、一方では情報格差は広がっているのだけど。



withコロナの中ではっきりと感じたのは、朝から晩まで食いつくようにTVや新聞をみている親の方が、色々な情報(専門家と呼ばれる)から分析した見解を持っていたりして、相変わらず仕事に追われている同世代の友人たちの危機管理とは逆にすごい差があったりするのを見ると、もう世代間にあった価値観のズレというのは、個人的なものになっていると思う。



国と国の縦割りが消えつつあり、世代別の横割りが消えていき、小さな円が沢山あって、それぞれ互いに重なる部分が少しづつ違って、また少しづつ同じといったような。「これまで」と言った概念や経験、知識の力を失いつつあるのだから、老若男女、皆同じスタートラインにいるのと同じ。




さて、本の内容とは随分と離れている話になりつつあるが、社会問題をどうみるかというのは、どれだけ自分ごととしてみるかが最初の問いだと思う。



今でもたまに流れてくるFBの投稿の中に、自分の周りには感染した人いませんからと言った文脈で書かれている記事をみるが、そのような線引き は如何なものかと考える。情報通でいようという話でないが、ただただ、自分の目をまんまると見開いて世界をみることは大事なこと。



タイムラグのない先で

分断のない社会を目指して。