• Harumi

見えない循環を思う

空が藍色になってきて、少し視界も薄暗くなり始めた時間。男の子が一生懸命に自転車を漕いでいるのに出合った。


男の子の足の動きの速さとは逆に、進まない自転車。その様子に、つい、「頑張れ!頑張れ〜!」と声が出て。そして、私の心が暖かくなった。


ふっと思う。彼の一生懸命さに出た言葉だったけど、その届かなかった言葉は私が発したい自分への言葉だったかもしれない。そして、私の心が優しさに包まれた。




私たちはいつだって、様々なところで恩恵を与えあっているんだよね。


その殆どが見えないところで与えあっているもの。だから、つい、"〜してやった"と不満が出てしまうのは、こうした循環に自分もいることに気づけていないだけ。


振り返ってみて、きっと自分にもいるはず。


あの人に出会わなければ行動していなかったかもしれないこと。その存在がなければ、考えることもなかったかもしれないと思うことが、きっとある。見知らぬ誰かの笑顔に自分の心が救われたことや、他の誰かの夢に自分の心も踊ったこともあったはず。


無意識にもその恩恵を分け合っているから、自分が考えたと思っていることも、実は絶妙なタイミングでた恩恵の産物なのかもしれない。そんな風に全体をみてみたら、全てに出会えたことに感謝だね。


今日はお買い物の途中で見かけた3歳くらいの男の子が着ていたTシャツに、思わず笑顔になった。背中にしっかりとした太字で「俺の時代」と書かれていた。


その小さな背中に「頼むよ!」と呟いた。


この循環は続く、きっと。



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